GLM 5.3 API の料金とエンドポイント:既定の max は low の35倍請求

GLM 5.3 の単体APIが開放、入力 $1.4 / 出力 $4.4 で GLM 5.2 と同額。実測では同じ分類リクエストで max の出力トークンが low の35倍、しかも既定値が max です。

GLM 5.3 API の料金とエンドポイント:既定の max は low の35倍請求

GLM 5.3 のリリースから5日後に単体APIが開き、入力100万トークンあたり $1.40、出力 $4.40、GLM 5.2 と同額でした。 驚くのは価格ではありません。reasoning_effort の既定値が max で、短い分類リクエストで実測すると max の出力は中央値105トークン、low は3トークンでした。

課金される側の数字が35倍動きます。それを決めるのは、ほとんどの人が送らないパラメータ1つです。

価格:        $1.40 入力 / $0.26 キャッシュ入力 / $4.40 出力(100万トークン)
仕様:        1M コンテキスト、最大出力 128K
ベースURL:   api.z.ai/api/coding/paas/v4  (OpenAI Chat Completions)
              api.z.ai/api/v1              (OpenAI Responses)
              api.z.ai/api/anthropic       (Anthropic Messages)
ゲートウェイ:OpenRouter と ofox でいずれも z-ai/glm-5.3
effort:      low | high | max、既定 max、無効化不可
削除:        thinking.type "disabled" は HTTP 400 を返す
実測:        分類タスクの出力は low / high / max で 3 / 8 / 105 トークン
スナップショット: 2026-08-19

GLM 5.3 API の料金はいくら?

入力100万トークンあたり $1.40、キャッシュ入力 $0.26、出力 $4.40。 Z.ai の価格表に GLM-5.3 の行が載り、GLM 5.2 と GLM 5.1 と項目ごとに一致しています。

項目レート
入力$1.40 / 100万トークン
キャッシュ入力$0.26 / 100万トークン
キャッシュ保存無料、期間限定と表記
出力$4.40 / 100万トークン

この表から2点だけ抜き出します。キャッシュ入力の $0.26 はコールドリードの19%で、しかも「キャッシュを使う価値があるか」を悩ませる保存料がキャンペーン中は無料なので、繰り返す system プロンプトはほぼ拾い物です。もう1点は出力が入力の3.1倍という比率で、これが後述の effort 設定を設定ファイル中で最も高価な1行にしています。

OpenRouter も $1.4 / $4.4、コンテキスト 1,048,576 と同条件なので、サードパーティ経路は一次価格をそのまま通しています。

GLM 5.3 API のベースURLはどれ?

プロトコルは3つ、そのうち1つでドキュメントが自己矛盾しています。モデルページの記載は次の通りです。

プロトコルベースURL
OpenAI Chat Completionshttps://api.z.ai/api/coding/paas/v4
OpenAI Responseshttps://api.z.ai/api/v1
Anthropic Messageshttps://api.z.ai/api/anthropic

ところが同じページの下方にある Quick Start は、/coding を含まない https://api.z.ai/api/paas/v4/chat/completions を叩いています。1ページに2つの答えがあるので、片方が404なら鍵を疑う前にもう片方を試してください。

どちらもリリース当日に智譜が予告した https://open.bigmodel.cn/api/paas/v4 ではありません。告知から24時間以内に書かれた記事は、結局出荷されなかったベースURLを引用しています。

見落としやすい制約が1つあり、しかもこの記事を読んでいる人をちょうど直撃します。GLM Coding Plan を購読したことのあるアカウントは、期限切れの購読を含めて、現在モデルAPIへ OpenAI Chat Completions プロトコルからしかアクセスできません。 かつてプランを使っていたアカウントで Responses や Anthropic プロトコルが失敗するなら理由はこれです。

reasoning_effort は請求にどれだけ効くか?

モデル選びより効きます。 GLM 5.3 は常に推論し、reasoning_effortlow / high / max のみを受け付け、既定は max です。

2026年8月19日、OpenAI 互換ゲートウェイ経由で z-ai/glm-5.3 に2種類のワークロードを流しました。短い分類プロンプトを各段階10回、小さなコード生成プロンプトを各段階5回。プロンプトもモデルも同じで、変えたのは effort の文字列だけです。

ワークロードeffort出力トークン中央値範囲遅延中央値
サポートチケットの分類(入力51)low33〜81.6秒
high8すべて81.9秒
max10547〜1603.4秒
区間マージ関数を書く(入力50)low519418〜58611.6秒
high658592〜8258.6秒
max3,7002,807〜10,59664.0秒

分類の行は二度見る価値があります。low が3トークン、max が105トークン、どちらも答えは同じ単語1つです。その後、分類をさらに18回(各段階6回)走らせて本文を取得しました。3段階すべてが正解ラベル billing を返し、外れは1回もありません。 このタスクで max が買ったのは追加の102トークンだけで、結果は何も変わりませんでした。

金額に換算すると、同じ100万回の分類呼び出しが low で $84.60、max で $533.40 です。モデルもプロンプトも答えも同一で、違いは文字列1つです。

推論が実際に働いているコード生成タスクでも、同じ計算をすると次のようになります。

ワークロードlowhighmax
分類 100万回$84.60$106.60$533.40
コード生成 1,000回$2.35$2.97$16.35

どちらの行も入力込みの総額です。入力を100万あたり $1.40、出力を $4.40 として、いずれも非キャッシュ単価で計算しています。分類の行を出力だけで見ると $13.20、$35.20、$462.00 なので、固定でかかる $71.40 の入力費が、トークン上の35倍を請求上の6.3倍まで圧縮していることになります。

high は飛ばされがちですが、おそらく飛ばすべきではない段階です。分類タスクでは low より26%高く、コード生成でも26%高い一方、コード生成では中央値で low より速い(8.6秒対11.6秒)。遅延は effort に対して単調に増えません。劇的に遅いのは max だけで、コードタスクでは low の5.5倍の実時間を使い、しかも成果物は結局人間が読む必要があります。

数値には留保を1つ。これは2つのプロンプトであってベンチマークスイートではなく、max の範囲は広いです(1語の答えで47〜160トークン、コードタスクで2,807〜10,596)。予算を組む前に自分のプロンプトで走らせてください。順序はすべての試行で保たれましたが、倍率はワークロード次第です。

GLM 5.3 のリクエストが400を返すのはなぜ?

推論を切れないから、というのが最有力です。ただしAPIの言い方は半分しか正確ではありません。 以下の呼び出しは実測でいずれも HTTP 400 を返しました。

{
  "error": {
    "message": "This model always engages in thinking and cannot be disabled; please use low, high, or max"
  }
}

"thinking": {"type": "disabled"} に対する応答としては正しく、想定どおりです。しかし "reasoning_effort": "medium""reasoning_effort": "none" にも同じ文面が返ります。こちらはおかしい。どちらも何かを無効化しようとしていません。他社から移ってきた人が medium を推測するのは自然で、このエラーは送った覚えのない thinking パラメータを探させます。

実際に壊れるものの一覧は短いです。

リクエスト結果
thinking.type: "disabled"400、thinking は無効化できない
reasoning_effort: "medium" または "none"400、同じ文面で誤解を招く
reasoning_effort: "low" / "high" / "max"200
thinking.type: "enabled"reasoning_effort: "low"200
推論関連フィールドを一切送らない200、max として課金
ゲートウェイでモデルIDに zai/glm-5.3404 model_not_found、接頭辞は z-ai

GLM 5.2 のワークロードを 5.3 へ移すには?

先に effort パラメータ、次にモデルID。 Z.ai がこの順序を明示しており、理由は thinking.type: "disabled" を含むリクエストがモデルIDを切り替えた瞬間に失敗するからです。

from openai import OpenAI

client = OpenAI(api_key="YOUR_KEY", base_url="https://api.ofox.ai/v1")

r = client.chat.completions.create(
    model="z-ai/glm-5.3",
    messages=[{"role": "user", "content": "Classify this ticket: ..."}],
    reasoning_effort="low",   # これを省くと max で課金される
)
print(r.usage.completion_tokens)

移行コストは GLM 5.2 の数値が示唆していたより安いです。リリース記事disabled を失うコストを測ったとき、GLM 5.2 では最も安い思考オン設定でも些細なプロンプトに69〜122の出力トークンを使い、思考オフは2トークンでした。GLM 5.3 では low が中央値3に戻っています。両世代の間で何が変わったにせよ、この移行を恐れさせていた下限はほぼ消えました。パラメータを設定する限りは。

そして、既定値を継承する場所も含めてすべて明示してください。リトライのラッパー、評価ハーネス、リクエストボディを組み立てるフレームワーク。reasoning_effort の欠落は機能の欠落ではなく、max の請求書です。

鍵をゼロから設定するなら、GLM 5.2 API 接続ガイドはそのまま使えます。エンドポイント、鍵、リクエストの形が同じだからです。大量の短い呼び出しの試算は GLM 5.2 と GPT-5.5 のコスト比較にあります。

Z.ai を直接叩くか、ゲートウェイ経由か?

GLM だけを使うなら直接。他のモデルも併用するなら、あるいは Coding Plan のプロトコル制約に当たったならゲートウェイ経由です。

Z.ai 直接ゲートウェイ
価格$1.4 / $4.4同じ、そのまま通る
プロトコル3つ、ただし Coding Plan 制約ありゲートウェイが話せるもの
モデルIDglm-5.3z-ai/glm-5.3
別モデルへの切り替え自分で実装文字列1つ
キャッシュ価格$0.26、保存は当面無料パススルー次第

ゲートウェイには実費に響く注意点が1つあります。プロキシが返してくる内容は、課金された内容と必ずしも一致しません。今回試したゲートウェイでは usage.completion_tokens_details.reasoning_tokens は通っており、low で completion 8トークンのうち3が reasoning と正しく出ました。通らなかったのは prompt_tokens_details のキャッシュ関連フィールドで、reasoning の本文も message オブジェクトにありません。コスト集計やキャッシュヒットのダッシュボードをこれらの上に作る前に、自分のプロバイダーで両方を確認してください。課金は上流が実際に行ったことに従い、あなたのレスポンスボディの表示には従いません。

ofox はチャージが15%オフ、2026-08-31 まで。単一の OpenAI 互換エンドポイントの後ろに約130モデルがあり、z-ai/glm-5.3z-ai/glm-5.2 はどちらも掲載済みなので、両者のA/Bは上のコードで文字列を1つ変えるだけです。

ベンチマーク、重み公開の見込み、GLM 5.3 と 5.2 の能力比較はリリース記事に全表があります。現行のカタログ仕様は ofox の GLM 5.3 モデルページにあります。

参考情報源

よくある質問

GLM 5.3 API の料金はいくらですか?
Z.ai の価格表では入力が100万トークンあたり $1.40、キャッシュ入力が $0.26、出力が $4.40 です。GLM 5.2 および GLM 5.1 と完全に同額です。キャッシュの保存料は現在無料で、期間限定と明記されています。
GLM 5.3 API のベースURLはどれですか?
モデルページには3つ載っています。OpenAI Chat Completions プロトコルが https://api.z.ai/api/coding/paas/v4、OpenAI Responses プロトコルが https://api.z.ai/api/v1、Anthropic Messages プロトコルが https://api.z.ai/api/anthropic です。ただし同じページの Quick Start は coding を含まない https://api.z.ai/api/paas/v4/chat/completions を叩いているので、片方が404を返したらもう片方を試してください。
GLM 5.3 の reasoning_effort の既定値は?
max です。公式ドキュメントが既定を max としており、実測も一致しました。reasoning_effort を送らないリクエストは、明示的に max を指定した場合と出力トークンの分布が区別できません。短い分類プロンプトではこれが出力トークン中央値105、low なら3という差になります。
GLM 5.3 が「thinking は無効化できない」という400を返すのはなぜ?
5.3 では推論を切れず、送った値が low / high / max のいずれでもないからです。原文は「This model always engages in thinking and cannot be disabled; please use low, high, or max」。thinking.type: disabled でも、reasoning_effort に medium や none を入れた場合でも同じ文面が返るため、後者では存在しない thinking パラメータを探しに行かされます。
GLM 5.3 で thinking.type disabled はまだ使えますか?
使えません。毎回 HTTP 400 になります。代わりに reasoning_effort: low を使ってください。実測では短いプロンプトで low の出力は中央値3トークンだったので、この移行は GLM 5.2 の数値から想像するよりはるかに安く済みます。
GLM 5.3 は GLM 5.2 より高いですか?
高くありません。公表単価は入力 $1.40、出力 $4.40 で同一です。請求額を動かすのはモデルではなく effort の段階です。thinking.type disabled を使っていた 5.2 のワークロードを reasoning_effort 未指定のまま 5.3 に移すと max に着地し、請求が数倍になり得ます。
ゲートウェイ経由のモデルIDは何ですか?
OpenRouter でも ofox でも z-ai/glm-5.3 で、コンテキストは 1,048,576 です。接頭辞はハイフン入りの z-ai です。zai/glm-5.3 と送ると model_not_found の404が返ります。