Step 5 Previewの公式重みを確認:API利用と自前運用の選び方
公式チェックポイントの確認方法、28ファイルと索引内26ファイルの違い、ホスト型APIと自前運用の評価条件を解説します。
Step 5 Preview BF16の重みファイルが、StepFun公式のHugging Faceリポジトリに掲載されました。2026年10月15日、メタデータ、モデルカード、設定、ライセンス、重み索引を取得しました。リポジトリの一覧には28個のsafetensorsファイルがあり、主重み索引が参照するのは重複を除いて26ファイルです。数える対象が異なるため、矛盾ではありません。
この記事は公開ファイルの確認です。チェックポイント全体のダウンロード、全重みファイルのハッシュ検証、推論、ベンチマークは実施していません。今すぐ利用したい場合は、公式ファイルが掲載されているか、選んだ形式を自分の環境で動かせるか、ホスト型サービスが自分のアカウントに利用を認めているか、という三つの問題を分けて考えます。
確認したバージョンと証拠
一次資料はstepfun-ai/Step-5-Preview-BF16です。次のコミットに固定して確認しました。
7734b7ffac118d70d8398bfa3eb0fab007eb45b1
リポジトリのメタデータが示す更新時刻は2026-10-15T01:31:42Zでした。そのため、「重みは10月15日に公開予定」とする検索結果のキャッシュは、リポジトリの状態より古い場合があります。最新ブランチは今後も変わり得ますが、リビジョンを固定すれば同じ確認を再現できます。
| 確認対象 | 実際に確認できた証拠 | これだけでは証明できないこと |
|---|---|---|
| リポジトリのメタデータ | .safetensorsファイルが28個掲載 | 全ファイルの転送成功や完全性 |
| 主重み索引 | 参照先は26ファイルで、すべて一覧に存在 | 読み込みから推論までの動作 |
| 設定 | Step5ForConditionalGeneration、テキストのdtypeはBF16 | 任意の既存ランタイムとの互換性 |
| モデルカードと推論手順 | 固定リビジョンで取得し、内容を確認 | 当方によるGPU検証 |
| ライセンス | StepFun Model License 1.0の本文が存在 | あらゆる商用利用が無条件で許可されること |
索引のmetadata.total_sizeは1,208,684,168,984バイト、10進単位で約1.209 TB、2進単位で約1.099 TiBです。これは索引に含まれるテンソルのサイズであり、全ダウンロード量の実測値、必要な総ディスク容量、最小GPUメモリ容量ではありません。追加ファイル、変換、作業用コピー、ランタイムのバッファ、KVキャッシュは別途見積もる必要があります。
1 TB超の重みを落とさずに一覧を確認する
メタデータ確認スクリプトをダウンロードしてください。Python標準ライブラリだけを使い、小さなリポジトリメタデータと索引のみを取得します。重みファイルは取得しません。
python3 step_metadata.py
スクリプトは固定コミット、safetensorsの総ファイル数、索引が参照する重複なしのファイル数、索引内テンソルのバイト数、一覧にない参照ファイル名を出力します。上記リビジョンでは、ファイル数28、索引内26、バイト数1208684168984、欠落ファイルのリストは空になるはずです。
結果が異なる場合はメタデータを調べてください。黙って最新リビジョンに置き換える理由にはなりません。HTTPエラーやJSONエラーが起きた場合は確認を停止します。元資料を自分で確認するには、固定版モデルカードと固定版重み索引を開いてください。
このスクリプトの成功は、索引と一覧が一致することを意味します。全モデルを取得済みであること、リモートの全ファイルをバイト単位で検証したこと、推論が成功することは意味しません。別のリビジョンを評価する前に、確認時刻と出力を保存してください。
ハードウェアより先に精度形式を決める
公式モデルカードにはFP8リポジトリと、今回確認したBF16リポジトリへのリンクがあります。実際に運用する精度形式のリンクを使い、異なるリビジョンのトークナイザー、設定、変換済み分割ファイル、重みを混在させないでください。
モデルカードによると、総パラメータ数は600B、トークン当たりのアクティブパラメータ数は27Bです。アクティブ数は計算量を示すもので、27B分だけ読み込めばよいという意味ではありません。「27B active」をストレージやメモリ全体の規模と解釈すると、成立しない構成になります。
公式が示す開始構成例は次のとおりです。
| チェックポイント | モデルカードの構成例 |
|---|---|
| FP8 | B300 × 4、またはH200 × 8 |
| BF16 | B300 × 8、または2ノードで合計H200 × 16 |
これらは提供元の構成例であり、Ofoxが測定した最小要件ではありません。公称最大コンテキストが収まる保証もありません。設定にある1,048,576という位置数の上限はモデル能力の設定値であり、実際に処理できる量は空きメモリ、バッチサイズ、KVキャッシュに左右されます。
BF16の経路にはBF16チェックポイントが必要です。FP8ファイルの読み込み時に--dtype bfloat16を指定しても、公式BF16チェックポイントに変換されるわけではありません。
環境を用意する前にランタイムの注意点を読む
モデルカードはStep 5専用のvLLMイメージvllm/vllm-openai:step-5-previewと、モデルおよび関連するパーサー・投機的デコード機能へのフレームワーク対応を挙げています。一般的な「最新版」をインストールしただけでは、必要な要素が含まれる証拠になりません。
固定版の推論READMEには、torch>=2.10,<2.14、transformers>=4.57.6,<6、safetensors>=0.7,<1、triton>=3.6,<3.8などの依存条件があります。CUDA対応PyTorchとホストのドライバーも適合させる必要があります。古い環境で使えると決めつけず、導入するランタイムと照合してください。
単体の変換処理はdtypeを維持してチェックポイントを分割するもので、BF16からFP8への量子化ではありません。文書化された経路ではテンソル並列とエキスパート並列がグループを共有するため、TP8とEP8はGPU 64基を意味しません。変換後の重み、設定、トークナイザーの対応も維持します。
特に重要なのは、モデルカードが、BF16のconvert.py → generate.py --tp-dirによるファイル分割経路全体は、最初から最後まで検証されていないと明記している点です。推論手順には、ストリーミングされたBF16重みによる2ノードの全モデル検証が別途記載されています。これはその経路の有用な証拠ですが、前述の制約を取り消すものではありません。特定のテストで報告されたメモリ割り当て量も、全コンテキスト長・全ランタイムに共通する要件ではありません。
画像や動画が必要なら、プロセッサーと準備済み入力の条件も確認します。テキスト生成のスモークテストだけでは、視覚入力の前処理、OCR精度、動画理解を検証したことにはなりません。
重み、自前エンドポイント、ホスト型APIを区別する
| 目的 | 次に進む経路 | 完了を判断する証拠 |
|---|---|---|
| 公開状況やライセンスの確認 | 公式リポジトリと小さなメタデータファイル | 固定リビジョンと一致するファイル一覧 |
| 推論環境の評価 | 選んだチェックポイントと対応するランタイム手順 | 読み込み成功、既知のタスク、リソース測定、エラーログ |
| 重みを運用せずマネージドサービスを利用 | 提供元の最新モデル・アカウント文書 | 正確なエンドポイント、モデルID、利用権限、使用量の照合 |
現在のクラウド経路は、公式のStep 5 Previewモデル文書で確認します。この記事では、未検証のクラウド用リクエストを提示したり、特定アカウントから呼び出せると断定したりしません。自前運用の例にある配信モデル名step5はローカルサーバーの別名であり、公式クラウドAPIの識別子を証明するものではありません。
ホスト型サービスを評価する場合は、許可されたリクエストを実行する前に、提供元、エンドポイント、正確なモデルID、地域・アカウント資格、料金の出典、データ方針を記録します。実行後はHTTPステータス、返されたモデル情報、期待する出力、使用量、請求を確認します。リポジトリのダウンロードや別のStepモデルへの成功リクエストでは、これらの確認を代替できません。この記事ではOfoxのStep 5経路を検証していません。
自前運用では、全ファイルとランタイムを確認した後、文書にある小さなスモークテストから始めます。起動成功と出力の合格判定を分けてください。ポートで待ち受けているだけでは正しいモデル出力を証明できません。失敗したら、複数の変数を変更する前に、正確なリビジョン、dtype、ランタイムのビルド、並列構成、最初の読み込みエラーを保存します。
実際のライセンスを確認する
固定版のLICENSE.txtを読んでください。本文はStepFun Model License 1.0であり、追加条件のないApache-2.0ではありません。モデルカードにはApache形式の表現がありますが、ライセンスには追加の帰属表示条件と商用条件があり、所定の事業条件では別途許可が必要です。
「重み公開」を「商用利用は無条件」と読み替えないでください。評価資料にライセンスのリビジョンを保存し、担当者が実際の条項と用途を照合できるようにします。
公式チェックポイントとリビジョンを特定し、一覧と索引の数の違いを再現し、対応する精度形式・ランタイム経路を選び、残る運用・アカウント確認を説明できれば、この記事の課題は完了です。性能ランキングや実環境の運用結果には追加の証拠が必要であり、ファイル公開だけでは判断できません。


